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教える立場の難しさ

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新人教育をする機会がありました。
全く何も知らない新人に仕事を教えるというのはとても難しいことです。
それは過去に店舗責任者として新人教育をしたことのある私にとってもです。

・どこまで教えるか?
・いつミスを指摘するか?
・新人のメンタル管理

などなど、気を配るべきことはたくさんあります。
そんなわけで今回は、最近起こった新人教育に関するお話とコーチング技術について語りたいと思います。

 

一度の説明で最初から完璧に覚えれる人はいない

新人さんは覚えることがいっぱいです。
そのため私たちがどんなに懇切丁寧に教えたところで、一発で覚えてくれるなんてことはありません。
これがわかっていれば、一気に教えることの愚行にも気付くはずでしょう。
なにせ教える量が増えるにつれ、忘れる確率が高くなるんですから。

そんな訳で、私はあまり一度に多く説明することはしません。
絶対に必要な部分だけを重点的に教え、教えたことからズレるパターンが出てきたら「都度説明するから聞いて」というスタンスです。
一応「こういうイレギュラーなパターンもある」と紹介はしますけど、その対処法までは教えずに「なんとなく覚えておいて」と注意喚起するに留めます。そのおかげで私が指導した後輩のエラー率は低いです。

お節介な先輩

ただ、私の周りにはお節介な別の先輩がいます。
私とは真逆の「なんでも最初からすべて教える」タイプの先輩で、右も左もわからない新人に「この場合はこうしてね!」と、相手の理解度に関わらずドンドン教え込もうとします。
そのたびに私は「余計な事言わないでくれー!」と心の中でとても歯がゆく思っています。

とはいえ、その先輩だって悪気があってドンドン教えている訳ではありません。
むしろ本人としては『新人のためを思って』対処法を仕込んでいる訳ですから、面と向かって「迷惑だから口出しするな」とは言い難い。
なので私にできるのは「まあ実際に遭遇したらどうすればいいか思い出せないと思うから、一度聞いたからと遠慮せずどうすればいいか聞きに来てね」と、新人に声をかけるのが精いっぱい。なぜか必要のない気苦労を負う羽目に笑

いつミスを指摘するか?

いつミスを指摘すればいいのか? これも意外と難しい問題です。
もちろん早めに指摘してミスを修正したほうがいいに決まっています。
けれども小さなミスを一つ一つ指摘していったのでは新人のメンタルがガリガリ削られることでしょう。

心理学の世界ではモチベーションの維持に関連する言葉で「自己効用感」というものがあります。
これをわかりやすく言うならば「私はやればできる子なんだ!」という自信です。
この自信があると積極性が増したりモチベーションを高く保つことができます。

しかし同時に、ミスをすることで自己効用感は簡単に低下します。
そのため如何に上手くミスを指摘するかは重要な問題です。
ハッキリ言って教える側としてはその場で指摘したいし、その方が圧倒的に楽なんですけどね笑

自尊心を傷つけないミスの伝え方

じゃあどんな風にミスを伝えればいいのか?
それは「解決策」と一緒に伝えることです。

多くの方は「こういうミスがあったから次は気を付けてね」と注意するでしょうが、そこで終わってしまえば相手の自己効用感を削ります。しかし私は

「さっきこういうミスをしてたけど、こういう風にやればミスが減るよ」

と解決策と一緒にミスを伝えています。
すると最初の例では「あぁ、失敗した。自分はなんてダメなんだ・・・」となるところを「あぁ、そっか。そういう風にやればいいんだ」と、ミスよりも解決策に目が行きます。
これで自己効用感を大きく損なうこともありません。

同様の例として、傍から見てると効率が悪い新人がいたとしても最初から上手いやり方を教えるようなことを私はしません。
というのも、効率が悪かろうとそれで問題ないタイミングで指摘したのでは「別に私のやり方でもいいじゃん」と反発心を持つ方が必ず一定数いらっしゃいます。
なので実際に効率が悪いことが業務をする上で問題になってきたタイミングを見計らってアドバイスするようにしていました。

ときたまいる有能な方は勝手に上手いやり方を見つけたり
先輩のやり方を盗み見て指導せずとも効率的に作業するようになってるので本当に楽です。

教える立場の大変さ

最後に少し愚痴みたいになりますが、やはり一番キツイのが「新人がミスしたときの責任の所在」です。
ミスした当人は当然として、その責任は教育係にも一部乗っかってきます。
連帯責任みたいなね。

もちろん新人だってミスしたくてしてる訳じゃありませんし
新人はミスするものだって誰もがわかっています。
それでも「私がやったミスじゃないのに私も怒られるのは不条理だー!」という気持ちが沸き上がって来るのは仕方ないじゃないですかーっ!笑

なお、文章では笑っていられますがリアルでは結構マジで頭が痛い話です。
なんというか、私は叱られ慣れていないので叱られるのが結構メンタルに来るんですよ。
心の中では「なんでこんなミスするのかなー?」とヒッソリため息ついてます。

という風に、新人教育は本当に気を遣うんですよ!笑
しかも「自分でやったらもっと早くミスもなく出来るのになー」と思いながら委ねることになるので、任せるのが苦手な私としては本当に歯痒いです。
まあそう思いながら自分も育てられたと思うので、結局お互い様なんですがね笑
少しでも上手に教えてあげたいものです。

 

それでは今回はこの辺で。
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