脳科学×心理学で読み解く人生のガイドライン

心理学と脳科学をベースに習慣化・記憶力向上・モチベーション・対人関係・メンタルケアなどQOL向上に関わるコンテンツを幅広く配信

あなたが習慣を変えるには〇〇〇〇を理解しないとムリな件

スポンサーリンク

アイキャッチ画像

いい習慣を作りたい!
悪い習慣を無くしたい!

そう思って何度も挫折した経験ありませんか?
意志力だけで行動を変えられるなら苦労ありません。
すでに出来上がった習慣を変えるには、その習慣的行動に根差した「思考過程」を紐解いていかなければ、まず習慣を変えることはできません。

と言う訳で今回は、習慣を変えるために必須教養である「そもそも習慣とは何か?」という部分を解説し、そのまま「習慣を変えるテクニック」まで紹介します。
参考は世界一の心理学ブログ「pcyblog」の共同運営者の一人ジェレミー・ディーンさん著書『良い習慣、悪い習慣』より。

もくじ

1.思考も習慣的である

私たちは習慣と言われたら「行動」だけにフォーカスしがちだ。
しかし、私たちの「思考」も行動と同様に【同じような状況・環境・条件下】において、いつも決まった反応をしています

たとえば上司に怒られたときに

・怖いと委縮する人
・へらへらと動じない人
・感情的になって逆切れする人

など、様々な人がいます。
ここで重要なのは「上司以外の人に怒られたとしても、同じような反応をする」ということです。
それは「怒られる」という反応に対して、脳が「怒られた時にどんな感情を抱くか?」を予め過去の経験から決めているということなのです。

習慣が思考を狭める

一つ実験をしてみよう。
実際にイメージしながら読み進めてください。

あなたは今から500m先にあるコンビニへ買い物に行くことにしました。
さて、コンビニに向かうため、アナタはどのような交通手段を想定しただろうか?
一番最初にパッと思いついたものを教えてほしい。

では答え合わせだ。

まず普段から近くのコンビニに買い物へ行く人たち。
あなたが思い浮かべた移動手段は、いつも近くのコンビニに行くときと同じではないだろうか?

次に普段あまり近くのコンビニへ行く機会がない人たち。
あなたが思い浮かべた移動手段は、もっとも利用頻度が高い移動手段ではないだろうか?
たとえば自転車通勤してる人なら自転車、クルマ通勤ならクルマ、徒歩通勤なら徒歩という感じだ。

これは全然不思議な事ではない。
が、如何に自分の思考が習慣的なものか理解いただけただろう。

2.習慣を変えるのに大切な2つの要素

さて、実際に習慣を変えるのに必要なことは

・自分の習慣的思考に気付くこと
・特定条件下で取るべき行動を具体的に決めること

の2つです。

習慣的な思考に気付く

さきほど自分の思考が如何に習慣的なものか理解しましたね?
あれを普段の生活で気付くには『どのような条件や環境のときに、変えたい行動を取るトリガーが潜んでいる』のかを注意深く観察する必要があります。たとえば

 

・イライラしたから(トリガー)タバコを吸いたいと思った。
・コンビニに寄ったから(トリガー)スイーツコーナーへ立ち寄った。
・友達が買うのを見たから(トリガー)タピオカジュースを買った。

こうしたトリガーを注意深く見つけるよう意識するだけでも、ある程度の効果があります
そしてより効果を高めたいなら『トリガーへの対策』あるいは『行動への対策』を考える必要があります。

特定条件下で取るべき行動を具体的に決める

さきほどの例で言えば

・コンビニを避ければスイーツの誘惑に抗う必要が減ってダイエットが成功しやすくなる
・イライラしたらタバコを吸う代わりに大声を出してストレス発散する事でタバコを吸う理由がなくなる

という感じになります。

しかしイライラしたのがタバコを吸う原因ではなく、口元が寂しいという理由の場合、大声を出すことによってタバコを吸いたいと言う欲求は消えません。
その場合はガムを噛むなどで寂しさを紛らわすなど、別の対策が必要となってきます。

つまり重要なのは自分の思考過程に気が付き、それに合った対策をするということなのです。
全ての人に適した万能の解決策などありません。

3.習慣を変える2大対策

さて、ここからは習慣を変えるための具体的テクニックについて考えていこう。

環境を変える

習慣とは特定環境下において起こる自動行動に他ならないので、もっとも確実で効果的で苦労がないのが環境を変えることだ。
実際に習慣が代わりやすい時期や状況と言うのは存在し、多くの場合は

・引っ越し
・職場や学校が変わる

など、大きなライフスタイルの変化を余儀なくされた時に習慣の変化が起こりやすい。
とはいえ、すぐさまそれだけ生活を変えることは難しいので、現実的なアドバイスとしては

・部屋の模様替え
・人間関係の整理
・いつもとは違う行動を心がける

といったところだろう。
お菓子を買い置きしないなどもここに含まれる。

実行意図

もう一つのテクニックとして挙げるのは『実行意図』だ。
最近では『If then planning』という呼称のほうが、通り名がいいかもしれない。
この手法は94の研究を分析した結果、習慣を変えるのにもっとも効果的な手法として科学的なお墨付きがついた由緒ある手法になる。

やり方としては、先ほど言った『特定条件下で取るべき行動を具体的に決める』ことだ。
わかりやすくいえば「もし〇〇したくなったら△△をする」という感じだ。
たとえばタバコを吸う習慣を変えたいなら

・タバコを吸いたくなったらガムを噛む
・5分だけ我慢して、それでも吸いたかったら吸う
・スマホでテトリスをやる

といった方法がある。
ガムを噛んでればタバコを吸うことはできないですよね。
こうした何かをやってたら別の何かが出来ない『拮抗行動』を設定するのが一つ目の手段だ。

二つ目は、禁止はしないけど数分我慢すると欲求が薄まることを利用したテクニックです。
禁止しない理由としては、人間は禁止されると余計にやりたくなる心理を持ってるからです。これを心理学では『カリギュラ効果』と呼びます。

三つ目はストレス対策として効果が認められているテトリスをプレイすることで、ストレス反応によって吸いたいと思った欲求を鎮めるといった方法です。
(なお本書では一つ目の手段のみ記載であり、二つ目三つ目の手段は別の著書や記事を参考にしています)

もちろん、自分の思考過程を理解した上で代替行動を決めなければ効果は薄くなります。

 

4.習慣を変えたいなら肝に銘じてほしい2つのこと

最後に心構えという部分にも触れておきましょう。
もし悪癖を止めたいと思っているのなら、意識しなければならないことが二つあります。

一つは『どうしてこの習慣を止めたいのかハッキリとした理由を思い浮かべる』ことです。
強い意思がなければ悪癖を治すことはできません。
ただ「タバコは身体に悪いから~」程度では不足と言わざるを得ません。

そして二つ目が『悪癖を治すのは難しいこと』だと自覚することです。
実験では、ツメを噛むクセを治すのは簡単だと思ってた被験者より、治すのは難しいだろうと思っていた被験者のほうがクセを治せる確率が高かった。
わかりやすく言えば、相手を舐めてると足元を掬われるってことです。

これら二つに共通していることは、ともに本気で取り組まないと成功しないぞってこと。
是非肝に銘じておきましょう。

終わりに

というわけで、習慣を変えるために大切な事を纏めました。
どうしてもテクニックの部分だけ先行してしまいがちですが、成功率を上げるためにはその前段階が非常に重要です。
なのに、多くの人が思考過程を軽視あるいは勉強すらしてないのが非常に残念に思います。

良い習慣、悪い習慣: 世界No.1の心理学ブロガーが明かすあなたの行動を変えるための方法

良い習慣、悪い習慣: 世界No.1の心理学ブロガーが明かすあなたの行動を変えるための方法

 

今回参考にした本はコチラ。
かなりいい本ではあるのですが、本書では具体的な習慣を変える行動プランについてはあまり言及されてません。そのため「習慣化」に関するある程度の知識を有している人が、より知識を深めるために書かれた本のように思え、初心者にオススメできる本ではないです。

もし、自分を変えたいと思ってる方がいらっしゃいましたら、まずはケリーマクゴニガルさんのコチラの著書をオススメします。

スタンフォードの自分を変える教室 (だいわ文庫)

スタンフォードの自分を変える教室 (だいわ文庫)

 

そしてより知識を深めたいと思ったら『良い習慣、悪い習慣』を手にすればと思います。

あなたにオスススメ
>>なぜすぐ行動できないのか?その傾向と対策を菅原洋平さんから学ぶ
>>まだ意志力に頼ってるの?冬でも簡単に起きるコツは〇〇を変えることです

それでは今回はこの辺で。
よければ読者登録お願いします。