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【行動・性格を変える!】狙ったアイデンティティの作り方を解説します

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今の自分に自信が無くて「あんな自分になれたらいいのに……」と悩んでいませんか?
理想と現実のギャップを直視するのはなかなかツラいですよね・・・
かといって、どうすれば性格を変えられるのか普通はわかりません。
だからいつも誤魔化しながら生活して、ふとしたタイミングで自己嫌悪に陥っていませんか?

実は性格を変えるにはアイデンティティの獲得が近道なんです。
良いアイデンティティを持っていると、あなたの行動が変わります。
行動が変われば性格も変わっていきます。

というわけで今回は「狙ったアイデンティティの作り方」について解説しようと思います。
是非アイデンティティの形成について学び、あなたも性格や行動を変えましょう!

アイデンティティが私たちの行動を決めている

実は私たちの行動はアイデンティティに支配されています。
読書家というアイデンティティを持つ人はたくさん本を読むように行動するし、運動が好きな人というアイデンティティを持つ人はできるだけ身体を動かそうとします。
しかしいきなりそう言われても

「ん? それって逆じゃない?」

と思う人は多いでしょう。
直観的に言えばたくさん本を読む”から”読書家だと思うはずです。
そんな方は次のエピソードを聞いてください。

前までは上司の言葉にビクついて、上司に怒られるたびビクビクしていました。
しかしある時先輩に誘われて総合格闘技を始めることに。
練習を重ね、試合でも勝てるようになってくると仕事にも変化が生まれてきました。
以前はあれだけ苦手だった上司を前にしても「俺はいつでもコイツをコテンパンにできるんだよな」と思うと以前のようにビクビクしなくなり、上司が間違ってると思ったときは普通に意見を言い返せるようになりました。

なぜ、この人は上司を前にしても臆さなくなったのでしょうか?
それは「自分は弱い人間だ」というアイデンティティが「俺は強い人間だ!」というアイデンティティに変化したからです。そのため行動にも変化が起こりました。

このように良いアイデンティティは自信や行動力を高めてくれます。
そして人はこの自分が持ってるアイデンティティに沿った行動を取ろうとする習性をもちます。
これは心理学で「認知的不協和」と呼ばれるものの影響です。

認知的不協和とアイデンティティの関係性

認知的不協和とは行動や考えの矛盾によって起こる不快感のことです。
たとえば「試験前だから勉強しなくちゃいけない!」とわかっているのに、勉強せず遊んでしまったら罪悪感とか後悔といった不快感を覚えますよね?
これが認知的不協和です。

これがさらに発展して、心理学で「一貫性の法則」と呼ばれるものがあります。
一貫性の法則とは自らの行動や発言・考えを貫き通そうとする人間心理です。

たとえば「私はとても健康に気を使っていてね・・・」と言いながら
ポテチやコーラを毎日食べ、まったく運動もせずお腹がでっぷりした人を見たことありますか?
そんなギャグみたいな人はそうそういませんよね笑

 

では読書家の例に戻ってみましょう。
私たちは一度自分のことを「読書家」だと認めてしまうと、一貫性の法則に従って読書家らしい行動をしようとします。つまり本を読むことです。

同じように自分のことを「ランナー」だと思っている人は、一貫性の法則に従って走ろうとします。それが「ランナー」らしい行動だからです。
そしてもし、そうした「らしい行動」をしなかった場合は認知的不協和が襲い掛かってきます。

「読書家なのに本を読まないのか!」
「ランナーなのに走らないのか!」

そういった不快感から逃れようと、私たちはアイデンティティに従った行動を取るのです。
また、アイデンティティまでいかなくとも「あなたは誠実な人ですね」と言われればアナタは誠実な人を演じようとするし、「お前は仕事ができないな」とラベリングされれば仕事ができない人の行動をしてしまいます。

 

アイデンティティはどうやって出来上がるのか?

さて、アイデンティティが私たちの行動に大きな影響を与えることがわかりました。
ではこの習性を利用して『自分に都合のいいアイデンティティを作る』ことができたら、自分の人生をかなりのところまで思い通りにできると思いませんか?

そのためにはまず「どうやってアイデンティティが出来るのか?」理解を深めましょう。

行動の積み重ね

結論から言ってしまえばアイデンティティは過去の行動の積み重ねによって作られます
読書家ならば「たくさん本を読んできた」という過去が「自分は読書家なんだ!」というアイデンティティを植え付けます。
綺麗好きな人ならば「たくさん掃除をしてきた」という経験です。

「なんだ結局頑張らなくちゃダメなんじゃん」

そう落胆するのは少し待ってください。
一度その思考の根底にあるものを考えてみましょう。
そこには「俺には出来そうもないな……」という悲観的なイメージがありませんか?

つまり逆を言えば「俺でも出来そう」と思えればいいわけですね?
では、そこを補う心理テクニックについて解説していきましょう。

 

狙ったキャラを作り上げる『自己充足的予言』

自己充足的予言とは予想したことが実際に起こる現象のことです。
コトバンクにはこう記されています。

ある社会的事象や状況に関して、誤った判断や思い込みなどが、新たな行動を引起し、その行動が当初の誤った判断や思い込みを現実化してしまう場合、当初に生じた判断や思い込みなどをさしていう。

 (自己充足的予言とは - コトバンクより引用)

このままだと少々分かりづらいと思うので例を挙げてみましょう。

とくべつサッカーの才能がある訳でもないA君がいます。
しかしA君は「俺ってもしかしてサッカーの才能あるっぽいしプロに成れるんじゃね?」と思い、たくさん練習に励んでプロを目指すことにしました。
その結果A君は才能がなかったにも関わらず、見事プロサッカー選手になるのでした。

この例では本当は才能なんてなかったのに「俺には才能があるかも!」という誤った判断がA君をプロサッカー選手へと導いています。
ポイントとなるのは『事実かどうかは関係ない』ということです。

なぜ自己充足的予言は起こりえるのか?

ではなぜ自己充足的予言は起こりえるのでしょうか?
答えは「失敗に対する考え方」にあります。
何かに失敗したとき、人は2種類の反応を示します。

1.「自分には才能や適性がないんだ」と思い、失敗を才能や適性のせいにする。
2.「なにがいけなかったんだ?」と思い、原因や改善案を探ろうとする。

1のタイプはスタンフォード大学の心理学教授キャロル・ドゥエックが提唱する固定マインドセットの考え方だ。このタイプは諦めやすく挫折に弱いという傾向を持ちます。
対して2のタイプは成長マインドセットの考え方です。このタイプは諦めにくく挫折に強いという傾向を持ちます。

自己充足的予言はこの成長マインドセットの考えを促します。
つまり失敗しても才能や適性のせいにせず、「何か失敗する原因があったはずだ!」と考えるようになるのです。

この差は非常に大きいです。
たとえば自己充足的予言をした人としてない人がどうなるか見てみましょう。

あまり本を読むことができなかった。
自己充足的予言がない人→「自分には本を読む才能がないんだ・・・」
自己充足的予言がある人→「人が多いところでは集中して読めないな」

このような違いが生まれてきます。
同じレベルの才能でも考え方や捉え方が違えば未来は大きく変わってくるのです。
そもそも才能の有無や適性というものは必要ないと申し上げました。

アイデンティティ形成要素の一つは、他の人より『ちょっと』秀でてると思い込むことです。
そして平均より『ちょっと』秀でるのはさして難しいことではありません。
だから「自分には合ってない」などと思い込んで可能性を捨てるのは今日で止めましょう。

 

体験で狙ったアイデンティティを作る

もう一つ、狙ったアイデンティティを作る方法があります。
それは狙ったアイデンティティを持つ人たちが集まる環境・コミュニティに自分から飛び込むことです。

たとえばあなたがテニス部に入ったとしましょう。
すると次第にテニスが上達し「自分はテニスができる人」という自己イメージが出来上がるはずです。こうなると「テニスは得意だよ」と胸を張って答えてることでしょう。
同様に、あなたが会社で経理を担当してきたとします。
すると転職する際にあなたは自己PRで経理ができることをアピールするはずです。

つまり好みや性格に関係なくスキルによってもアイデンティティは形成されるのです。
アメリカの心理カウンセラーのメグ・ジェイ氏は著書『人生は20代で決まる』の中で次のように語っています。

アイデンティティ獲得への道は前向きな結果に結びつきます。
自分というものをより明確に意識し、人生の満足度が高くなり、ストレス・コントロールが上手くなり、想像力が強まり、そして周囲に容易に流されることなく自分をしっかり保てるようになります。つまり、ヘレンが望むものがすべて得られるのです。
私はヘレンに少しでもスキルを身につけるように勧めました。そして、履歴書に書けるような仕事を見つけることから始めなさい、と。

これはヘレンという『何者にもなれないことに悩む』若者へ向けたアドバイスですが、すべての人に当てはまるアドバイスではないでしょうか?
そして、スキルを身につけるにはまず新しい環境に身を置くしかありません。

・ジムに通ってみる
・どこかのサークルに入ってみる
・身につけたいスキルが必要な会社に転職する

なんでもいいですがコミュニティに入ることは重要です。
そうしなければ強制力がなかったり、新しい情報に触れられなかったり、モチベーションが続かなかったりと色々な弊害が出てきます。

それに自分との約束は平気で破る人がほとんどです。
コミュニティという環境の力がなければ、スキルを身につけるまで登りつめるのはまず無理でしょう。でなければそれはとっくにアナタのアイデンティティとして確立しています。

終わりに

まとめると、狙ったアイデンティティを作り上げるには

1、才能や適性で「自分には向かないだろう」というマインドブロックを破壊する
2、何度も体験する

という2つのステップしか必要ありません。
あとは『自分が行動できる環境をどれだけ作れるか?』にかかってきます。
その辺については「三日坊主対策」や「習慣化の科学」が参考になりましょう。

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それでは今回はこの辺で。
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