少し前からビジネス系YouTuberや教育系YouTuberが増えてきたおかけで「YouTubeで勉強してます!」という方が増えてきましたね。
タメになる知識を短時間でわかりやすく解説し纏めてくれるので、取っ付きやすいのが大きな魅力。
実は私も結構お世話になってます笑
しかし残念ながらYouTubeでの勉強はあまり効果がありません。
実際「どんな動画でしたか?」と聞いてみても全く要領を得ない回答ばかり。
ではなぜyoutube動画での勉強は効果がないのでしょう? YouTubeで上手く勉強する対処法はないのでしょうか?
というわけで今回はそんなYouTubeと勉強に関するお話について解説します。
どれだけ動画視聴は記憶に残るのか?
まずはコチラをご覧ください。
これはアメリカ国立訓練研究所がまとまた学習方法別の記憶量を示したラーニングピラミッドです。
(出典 キャリア教育ラボ)
この図からもわかる通り動画での視聴学習はおおよそ5%〜20%程度しか記憶に留まりません。
その理由は単純に自分から答えを考えるのではなく、他者から教えてもらう受け身の学習方法だからです。
YouTube動画の性質
さらにYouTubeの動画はその性質上とても内容が覚えにくくなっています。
というのもYouTubeに投稿される動画のほとんどは編集で間をカットし、視聴者が見やすいよう工夫されているからです。
これは一見親切なようにみえて、学習する上ではデメリットになります。
なぜなら人間の脳は考えながら記憶できるようには出来ていないからです。
そのため記憶を整理する時間がほとんどないYouTube動画をそのまま学習教材とするのは危険と言えます。
倍速視聴について
さらに最近の風潮として動画の倍速視聴が推奨されていますね。
しかし先ほども申した通り、記憶を整理する時間をさらに削る行為になるため倍速視聴は注意が必要です。
そして倍速視聴のもっとも悪い点は考える時間すら与えられないことにあります。
コチラの動画をご覧ください。
コチラの動画では『早口で説明することにより説得力が増す』ということを解説されています。その理由を要約すると「ゆっくり喋ると脳に余裕が産まれ、余計なことを考えるから」とのことです。
しかし勉強においてこれは逆効果です。
なぜなら勉強で大切なのは「これってなんだろう?」という疑問や興味を持つことだからです。
その疑問に答えを見つけたときに、人は強く記憶することができます。
裏を返せば、説得されやすい状況というのは疑問を挟む余地が少なくなるため記憶に残りにくい状況と言えます。倍速視聴で気を付けなければいけないポイントの一つです。
また、人間は難しいものでもわかりやすく説明されると理解した気になり、自分でも説明できると思い込んでしまう性質を持っています。これを心理学では流暢性の錯覚と呼びます。
しかし人に説明できなければ真に理解したとは言えません。
これも倍速視聴することで説得されやすい状況の弊害と言えるでしょう。
YouTubeで勉強する時に気を付けるべきこと
というわけで、ここまではYouTubeを視聴して勉強したつもりになるのは危ないよという話をしてきました。
ここからは上記の特性を踏まえてYouTubeを視聴する時に気を付けるべきポイントを押さえていきます。
1、動画視聴前に予想する
これは動画にもよりますが、タイトルやサムネイルから内容を推測できるものもあります。
たとえば
「〇〇な方法ベスト5!」
「△△できるようになる簡単な方法とは?」
「コレをやる人は××できない」
などは、どんなテーマの動画かすぐにわかりますよね?
こうした動画のときは視聴する前に「もしかしてアレかな?」と予想してみてください。
間違ってても構いません。
むしろ間違ってるほうが「あーソッチかー!」というアハ体験に繋がり記憶の強化になります。
2、一時停止する
二つ目のポイントは一時停止することです。
先ほども申し上げたように理解する時間は大切です。
必ず自分で考え、自分の言葉にし、記憶を整理する時間を作りましょう。
世界記憶力選手権グランドマスターの池田義博さんは著書『世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法』の中で、自分の言葉にすることの大事さを説いています。
それは思い出す段階になってインプットした以上の情報は引き出せないからです。
思い出してから説明するのは難しいので、説明できるようにしてからインプットするのが上手な覚え方になります。詳しくは以下の記事をどうぞ。
実際やってみると数分前に説明されたことなのに案外自分では上手く説明できなかったり、言葉に詰まる箇所が出てくることに驚くはずです。
そして数分前に見聞きしたことをさらに後になって出来るはずがありませんよね。
続きが気になるという葛藤に打ち勝ち、しっかり立ち止まって知識のインプットをしてから次に進みましょう。
3、見終わったらリハーサルする
リハーサルというのは復習のこと。
つまり動画を見終わった後に「どんな内容だったか?」を振り返るってことですね。
復習に関する実験ではコチラなんかが興味深いところ。
サセックス大学が2015年に行った実験では、被験者に26本のYouTube動画を見させました。
その際被験者を二つのグループに分け、片方のグループには動画視聴後40秒かけて動画内容を思い出させるか声に出して説明させました。もう片方のグループはただ動画を見て終わりです。
そして2週間後に記憶テストを行ったところ、何もしなかったグループはほとんど思い出せなかったのに対して、40秒の復習を行ったグループはかなりのディティールと要点を思い出すことができました。
ということで、振り返る時間はなんと40秒でも十分だそうです。
さらに効果を高めたい場合は動画視聴後1~2分程度で動画の内容を紙に書き出してからもう一度動画を見直し、紙に書き出した内容の抜けをチェックして記憶の定着が悪い部分を見つけるのも有効でしょう。
終わりに
というわけでYouTubeで動画視聴する際に気を付けるべきこととその対策法でした。
今回参考にさせていただいたのはコチラ。
学生に限らず勉強する人には是非読んでもらいたい本たちですね!
今ではYouTubeだけでなくAudibleやVoicyなど耳学できる環境が整ってきましたが、覚える基本については記憶に残りやすい読書方法とやるべきことは一緒ですので。
ただ動画視聴は読書と比べてより受動的なため、動画で勉強する際は読書以上に注意が必要です。
倍速視聴も時間効率という観点から見ると悪くないんですが、そのぶん自分から一時停止してメモを取るなり頭の中を整理する時間を設けなければ理解度が落ちるので注意しましょう。
私も基本は「1.5倍~2倍」で視聴し、簡単に内容をまとめ、より詳しく知りたい場合は動画で紹介されてた書籍を自分で読むようにしています。前提知識があると読んだ時にスッと頭に入りやすいんですよね。
それからアナタにオススメの記事はコチラ!
>>本を読むなら『コーネル式ノート術』を使った読書が最強です!
>>超簡単・効率的に学べる世界記憶力グランドマスターの勉強法
>>なぜ一日10時間働く会社員が、ほぼ毎日クオリティの高い記事を投稿できるのか?
それでは今回はこの辺で。
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一部参考
どんなに物覚えが悪くても、たった「40秒の復習」で記憶力は激しく改善するそうな | パレオな男
感情操作の説得術〜メンタリストが早口な理由を種明かし - YouTube
平均学習定着率が向上する「ラーニングピラミッド」とは? - キャリア教育ラボ