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【ブロガー向け】心理学者が使ってる『執筆するためのテクニック』

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ブログ書かないとなーと思いつつも、なかなか書けない事ってありますよね。
実際、小説家やライター・研究者などプロの文筆業の方ですら、執筆するために様々な工夫をしています。それなのに、私たちがなんの対策もなく苦労せずに書けるはずがありません。

というわけで今回は、人間心理のプロである心理学者が、論文を書くために行っている工夫についてご紹介。
参考はポール・J・シルヴィア氏の著書『できる研究者の論文生産術 (KS科学一般書)』より。

 もくじ

 1.インスピレーションは書いた数に比例する

ポール氏は、気分が乗らないから書かないという事のもったいなさを指摘している。
1990年に心理学者のボイスが行った研究では、『気分が乗った日に執筆を行ったグループ』と『執筆しなかった日はペナルティーを受けるグループ』では、後者のほうが執筆量が多かった。しかも執筆量には3.5倍もの差があったという。
しかも毎日執筆すればその分だけ、独創的なアイディアが浮かびやすくなる傾向が確認された。このことについてポール氏は「書く作業自体が、書くための優れたアイディアを育むのである」と述べている。
上記の実験結果から、継続してアウトプットする習慣がいかに大切かがわかるだろう。

余談であるが、この事実を私が最初に書いたのには2つの理由がある。
一つ目が、継続して書くことのメリットを教えることでアナタの気分を持ち上げたいと思ったから。
そして二つ目が、「それを行う意味を理解して行うと効果量が増えるから」という心理テクニックがあるからだ。今回の例で言うと「毎日執筆する意味を理解すれば、毎日執筆しやすくなる」という感じだ。
自分で言うのもアレだが、読者に優しい心理ブロガーだと思う笑

2.資料集めは執筆時間に割り振る

よくある書かない良い訳として「もっと知識を集めてから……」というのがあるが、ポール氏はそうした良い訳をバッサリ切り捨て『一日のスケジュールに執筆時間を割り振り、資料集めも執筆時間内で行う』ことを推奨している。

これはどういうことか?
一気書きしようとする人は、資料集めやデータ解析・取材などの他の作業も、まとめて行おうとする。つまり大きく纏まった時間がないと行動を起こそうとしないのだ。
こうした習慣が作業の進捗が遅れる要因であることが、ケロッグによって1994年に証明されている。

なので、まずは短い時間でも取れたら、適宜一つづつ作業をこなす習慣をつける事。
それから、いざ書き始めた時に不足した資料などが見つかれば、執筆途中でもその場ですぐ資料集めを開始すること。
最後に、執筆に関係する全てを行うフリー時間を、あらかじめ予定の中に組み込むことを推奨している。

3.監視システムを作る

近年になってよく取り上げられるようになったメタ認知について、本書も触れている。
行動研究によれば、自己観察だけで所望の行動が誘導されることがわかっている。わかりやすく言えば『自分がいま何をやっているのか客観的に見つめなおす』ことで、本当にやらなくちゃいけない事に目を向けられるようになるということだ。

たとえばYouTubeの画面を開いた時に「私はいまYouTubeを見ようとしている」と気付ければ「本当にYouTubeを見たいのか? 他にやるべき事はないか?」と自問し、誘惑に打ち勝ちやるべき事に注力できるようになるということだ。
この能力を養うため、ポール氏は「記録を取ること」を推奨している。

4.頑張ったご褒美について

執筆の報酬というのはすぐにはやってこない。ブログで言えば一記事書いたからと言って、すぐにコメントが付いたりはしないだろう。まして、小説や論文ならば数か月先まで読まれないということはザラだ。
なのでポール氏は、モチベーション維持のために作業終了後に即効性のあるご褒美をあげることを推奨している。たとえばオヤツやコーヒーを飲むなどだ。
ただし『執筆しない』ことを執筆のご褒美としてはならない。これはダイエットを頑張ったご褒美にスイーツを食べるようなものである。

ちなみに、コロンビア大学の社会心理学者ハイディ・グラント・ハルバーソンの著書『やってのける~意志力を使わずに自分を動かす~』において、ダイエット後にリバウンドしなかった人たちの共通点は「ダイエットのご褒美に食べ物以外を選んでいた」と書かれている。
たとえば「ダイエットに成功したらハワイ旅行に行く」などだ。何事もご褒美は別ジャンルのほうが良いと言うことだろう。

終わりに

というわけで心理学者が行っている執筆するための工夫でした。
心理学者って、なんとなく企業などのスポンサーから生活資金を得ているイメージですが、実際のところは論文の執筆やライター業の給金で生活してたりするみたいですね。だから意外と執筆しなくちゃいけないとか。
そうした時に、こうした心理テクニックを自分に使ってるんですね。ちょっと面白い。

できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)

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