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天才を多数輩出するユダヤ人の「残り寿命を計算する」という教えについて

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アナタは将来のことをどれだけ考えていますか?

多くの人は給料が安いと愚痴を言いながらも本気で転職活動をしようとしなかったり
これからも健康でいるだろうと親孝行を後回しにして死別してから後悔したり
未来のことについて考えるのがとても苦手です。
それは人間が現在の状況が永遠に続くだろうという錯覚や、現状維持しようとする性質を持っているからです。

では、こうした人間の性質を克服する手段はないのでしょうか?
実は天才の多いことで知られるユダヤの教えには『残りの寿命を計算する』というのがあります。

という訳で今回は『残りの寿命を計算しライフプランについて考える』をテーマに話をしていこうと思います。

未来の自分は他人?

プリンストン大学の心理学者エミリー・ブローニンは
人間は『未来の自分を他人のように考えてしまう』ということを実験で証明しました。

ある実験では、学生たちにケチャップと醤油を混ぜたとんでもない液体を飲ませることにしました。科学の発展に寄与するためにどれくらいの量なら飲めるのか、学生たちは自分で決めなければなりません。たくさん飲めればそれだけ研究者の助けになります――まさに「やる力」のチャレンジです。

一部の学生たちは、数分後に飲んでくださいと言われました。いっぽう、別の学生たちには、実際にこれを飲んでもらうのは「次の学期」ですと説明されました。つまり現在の自分はお役目を免れ、混ぜこぜドリンクを飲み下さなければならないのは未来の自分です。そして、その他の学生たちは「次にこの実験に参加する人はこのドリンクをどれくらい飲むべきでしょうか」と質問されました。

(中略)

この胸が悪くなるような液体をすぐに飲むように言われた学生たちは、スプーン2杯なら何とか飲めると回答しました。しかし未来の自分や次の参加者たち(=他人)の飲めると思う量については約半カップ(=倍以上)と答えたのです。(スタンフォードの自分を変える教室 P258より)

これ以外の同種の実験でも、未来の自分には他人のように厳しく今の自分には甘い選択をする傾向が確認されました。
ダイエットや禁煙に成功し難いのは、こうした人間心理も働いています。
目の前の甘い誘惑に乗って損するのは未来の自分のため、他人事のように考えて今の自分に有利な選択をしてしまうのです。

時間的猶予と行動率

あなたも1度くらいは過去に戻ってやり直したいと思ったり、大人になってから「子供の頃にもっと○○しとけば良かった」と考えたことはないですか?
私達の多くは時間に対して後悔を持っています。
そしてその大半は「やらなかったこと」に対する後悔です。

なぜ人間はやらなかったことに対して後悔するのでしょう?
時間がなかったからでしょうか?
それこそまさに「今と同じ状況がずっと続くだろう」と錯覚するからです。

ビッグベン問題というのがあります。
ロンドンに短期滞在する人と長期滞在する人に対し「ビッグベン(ロンドンの有名な観光名所)を見に行きますか?」とインタビューし、その後帰国するときに「実際にビッグベンに行きましたか?」という質問をします。
するとどちらのグループも同程度の人が「ビッグベンを見に行きたい」と答えたにも関わらず、実際にビッグベンを見に行った割合は滞在期間が短いグループの圧勝でした。
これは滞在期間が長いグループは「今のままの状態がずっと続くだろう」という錯覚に陥り「いつでも行けるから今は行かなくていいや」と判断したためです。

ビッグベン問題から私達が学べることは、時間的猶予があると思い込むと人は行動を起こさなくなると言うことです。
それを解消するためには「いつまでに何をやらなくちゃいけない」と明確な締切を決めることです。

 

強い後悔が残る出来事は何か?

アメリカの心理学者メグジェイ氏は著書『人生は20代で決まる TEDの名スピーカーが贈る「仕事・結婚・将来設計」講義』の中で、30代になってから30代のライフプランを考えても遅いのに、多くの20代は実際に自分のライフプランに真剣に向き合うのが30歳直前なことを嘆いています。

この問題が深刻なダメージになるのは10代や20代の若者ですが、かといってそれ以上の年配者が無視して良い問題でもありません。
人間が死ぬ前にする後悔の上位には大抵「もっと親孝行すれば良かった」「もっと健康に気を付ければ良かった」「もっとやりたい事を我慢せずやれば良かった」などがランクインします。いずれも「いつになったらやるか?」を明確にせず、時が来たらを言い訳に行動に移さなかった結果です

また老後資産についても見通しが甘く、定年を迎えても年金だけで生活出来ないから身体にガタが来てるけど仕事せざるを得ないなんて話もあります。
それから老後2000万問題なども話題になりましたね。

では、これらの後悔は絶対に回避不可能なものでしょうか?
そんな訳ありませんね。いずれも事前に心構えをしておけば回避できる問題です。

寿命を計算しライフプランを立てるメリット

ここまでの話を見ればいかに人間が現在の自分に甘く、あとになって後悔する生き物で、その後悔も事前に対策すれば回避できるものであることがわかったと思います。
そこで登場するのがユダヤの教えである『寿命を計算する』というもの。
寿命を計算することで時間は有限であり、まだまだ自分のやりたい事が残っていることに気付けるはずです。この辺の解説についてはメンタリストDaiGoさんのコチラの動画が参考になります。

終わりに

というわけで「残りの寿命を計算しライフプランを考える」というお話でした。
やらない後悔よりやる後悔という言葉もあるように、後々まで引きずるのは「やらない後悔」です。
悔いのない人生を送るためにも、ライフプランは早めに立てておきましょう。

今回参考にした本はコチラ。

   

アナタにオススメの記事はコチラ
>>人生は20代で決まる? 高校生・大学生・新卒の悩みに心理カウンセラーのメグジェイ氏が答える
>>【感想・レビュー】スタンフォードの自分を変える教室【ケリー・マクゴニガル】

それでは今回はこの辺で。
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