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心理学的に正しい褒め方って?仕事にも恋愛にも使えるコツを解説します。

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褒められて嬉しくない人はいませんが、お世辞を言われるのが嫌いな人は多くいます。
しかし、褒めとお世辞は紙一重。

褒めたのにお世辞に取られて相手の機嫌悪くなった!」とか「お世辞だと思って適当に流された」という経験、誰でも一度はあるんじゃないですか?
また社会人になると周りから褒められる場面が多くなると思いますが、そんな時に「こいつお世辞言ってんなー」と思った経験ありませんか?

これは褒めるという行為について、ほとんどの人がシッカリ学ぶ機会がない事に起因します。
というわけで今回は『上手な他人の褒め方』というテーマで話していこうと思います。
心理学には「好意の返報性」というのがあり、自分が好意を見せると相手も好意を返してくれるようになるので、対人関係を良くしたいという方は必見です!

いつもならここで参考著書や動画の紹介をしているところなんですけど、今回は色々なところから情報を引っ張って来ています。そのため最後に参考一覧を載せておきますので、情報ソースはソチラからどうぞ。

 もくじ

1.相手が努力してるところを褒める

自分が知ってる人物を褒める場合は、まずその人が努力しているところを褒めるのが効果的です。
努力してる箇所というのは、その人が大切or重要に思っている価値観の一つだからです。

たとえば「髪の手入れに拘っている女性」を想像してみてください。
その人は褒められるときに

1、「美人ですね」と褒められる
2、「可愛いファッションだね」と褒められる
3、「サラサラで美しい髪だね」と褒められる

どれが一番喜ぶと思いますか?

1は「美人」という容姿全体を褒めています。
髪の手入れに拘ってるということは少なからず容姿を気にかけているのでハズレではありません。
しかし抽象的かつ平凡なセリフのため、相手の心にあまり響かないでしょう。
人によってはお世辞や社交辞令と受け止められる可能性もあります。

2は「服装」を褒めています。
多くの女性は服装にも気をかけてるものですが、毎回有効という訳ではありません。
そろそろ捨てようか悩んでるヨレかけの服を褒められて嬉しいはずもありませんし
デートだからと新調した服が「似合ってる」と言われれば嬉しいもの。
結局のところこれも「服装に気合を入れてたかどうか」がポイントになってきます。

3はいつも手入れを頑張ってる「髪」を褒めています。
今回の場合、最もよい選択肢がコチラです。
人は自分が時間をかけた成果を他人にも認められた時に大きな嬉しさを感じます。
たとえば他の例で言えば、本当は早く帰りたいのに毎日残業続きでクタクタのサラリーマンが「いつも夜遅くまで大変なのに、頑張ってて偉いよね。お疲れさま」と女の子に言われたら、間違いなくグラッと来るはずです。

どうしてそう感じるのか?
それは自分が努力していることを褒められると、人間の根源的欲求の『承認欲求』が大きく満たされるからです。
人間は社会的生き物なので、ほとんどの人が他人からの評価を気にしているんですね。

2.具体的に褒める

先程の例のように、ただ「可愛いですね」と言われても女性の心にはあまり響きません。
相手を上手に褒めるポイントはどこがいいと思ったのか具体的一般論ではなく主観的言葉で伝えることです。
たとえば上司を褒めるときに

「〇〇さんみたいな素敵な上司になりたいです!」

と言うのは良くありません。
褒められた側としては「俺のどの部分が素敵な上司に見えるんだ?」と無意識に疑問を覚えます。
そしてその答えを見つけられないとアナタの言葉を「お世辞」と判断してしまうのです。

つまり相手に少しでも疑問を与えてはいけません
それを未然に防ぐ方法こそが「具体的に褒める」ことになります。
なので今回の正しい褒め方の例としては

「〇〇さんみたいに困った部下を見かけたら相談に乗ったり、みんなの手本になるよう率先して動ける素敵な上司になりたいです!」

という形になります。
ここでポイントになってくるのはアナタがいいと思っている部分絶対に省略せずに伝えることと、自分はこう思っていると伝えることです。

ジョハリの窓

ただ、人によっては自分の気持ちを伝えるのが怖くて「〇〇さんがあなたのことを△△だって褒めてましたよ!」と、あたかも自分の意見ではなく他人の意見という保険をかけてしまうことがあります。
これは「的外れな意見を言ってたら嫌だな」という心理から来るものです。

しかし、これについては基本的に心配はいりません。
サンフランシスコ州立大学の心理学者ジョセフ・ルフトとハリ・インガムが発表した『ジョハリの窓』というものがあります。

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(画像はそうだ!今からはメンタルだ――ジョハリの窓とは?やり方や効果より)

ジョハリの窓は褒め方を学ぶ際に非常に重要です。
人から褒められるときは大抵「開放の窓」と呼ばれる部分を指摘されます。
たとえば「可愛い」「イケメン」というのは他人も本人もすぐ気が付きます。そのため開放の窓に属していることがほとんどです。

開放の窓に属する事柄は褒めても劇的な効果を望めません。
なぜなら人は慣れる生き物であり、言われ慣れた誉め言葉には耐性が付くからです。
お世辞と受け取られる場合があるのもこの「開放の窓」です。

対して、効果的なのは「盲点の窓」です。
人は自分の知らない情報を与えてくれる人に対して好意を抱きやすくなります。心理学ではこれを「学習処女理論」と呼びます。
そのため的外れな誉め言葉だったとしても、相手からしたら新鮮な誉め言葉になって好意を持たれることに繋がるのです。意外と「あぁ、そういう見方もあるんだ」とか「えっ、俺ってそんな一面あったの?」と受け入れられるので勇気を出して褒めてみましょう。

 

3.自分がいいと思ってる部分しか褒めない

ここまで結構強調してきましたが、褒めるときはアナタが本心からいいと思ってること以外は褒めるべきではありません。その理由としては

・本心から思ってなかった場合、相手はかなりの高確率でアナタのお世辞を見破る
・相手が謙遜してきた時に、さらに深堀して褒めた理由を話せない
・ウソをつく後ろめたさを覚え、しばらく心の距離を開けてしまう

などが挙げられます。
基本的に心にも思ってなかったことがバレたときのデメリットが大きすぎます。
また、バレなかったとしても自分から相手との壁を作る要因になってしまいます。
後ろめたいことがある人は目が泳いだり、話題を逸らす或いは物理的に距離を取ろうと逃げの姿勢を見せます。そうした「突っ込んだ話をしてほしくない!」という雰囲気は得てして相手に伝わるものです。

とはいえ、どうしても本心から褒めることが出来ない場面もあるでしょう。
褒めるポイントが見つからない場合は褒めないのが一番なのですが、そういう時はどうすればいいのでしょうか? いちおう対策法はあります。

それは具体的に褒めず、相手が謙遜しても褒め倒すことです。

心理学者が行った実験によれば、具体的に褒めると相手はその理由に注目するようで、喜ぶか喜ばないかはその理由に依存するようです。
そのため仮に最初は喜ばなかったとしても、深堀して褒めていけば最終的に喜ぶ可能性が高まるのですが、本心から褒めてなかった場合はそれが難しいです。ならば理由も言わず「すごいすごい!」と幼稚園児を褒めるように褒めたほうが、まだ喜ばれる確率が高かったといいます。

繰り返しますが、これはベストな方法ではなく最悪なケースの対処法なので、一番いいのはやはり本心から褒める事だというのを忘れずに。

4.主観的な言葉を使う

こちらも既に一度述べましたが、主観的な言葉・主観的な意見で褒めるのがいいです。
具体的には「私はそういうところがいいと思います!」というように『自分はそう思ってます!』と強調することです。
それを体験してもらうために、逆の例を考えてみましょう。

たとえば「世間的には、アナタは素晴らしい人だと思いますよ」と言われたらどうでしょうか?
おそらく「世間的にはってことは、お前はどう思ってるんだ?」と感じたのではないでしょうか。人によっては皮肉や嫌味に聞こえたり、そうじゃなくてもその人から褒められたという感じはしませんよね?
だからこそ、褒めるときには「主観的な言葉」を含めるほうがいいのです。

ちなみに余談ですが、嫌味を言う時にこうやって主観ではなく客観的な言葉を使って情報を伝えてくる人を『カバードアグレッション』と言います。
日本語に訳すと『隠れた攻撃性』といったところで、さも自分の意見ではないように見せかけて他人を批判してきます。たとえば

「世間的には非難されますよねー」
「各所から〇〇といった意見もありますが・・・」

という感じです。
こういう人は『自分の意見ではない』というスタンスを取ることでアナタの味方のように振舞いながら、近くからアナタに対してガンガン批判を投げかけてきます。
その末にあなたのメンタルへ甚大なダメージを与えるばかりか、アナタの人間関係まで崩壊させる場合もあるので、そういう人を見かけたら近寄らず縁を切るようにしましょう。

 

5.最初は褒めない

最後は個人的にすごく面白くて私も「へぇー」ってなったテクニックをご紹介。
これは何か特定のものを褒めたくなった時に使えるテクニックで、やり手なホストがよくやるテクニックだそうです。

たとえば相手が持ってるカバンを褒めようと思った時に「どうしてそのカバンを選んだの?」と、最初から褒めるのではなく『なぜそれを選んだのか質問』します。
すると相手は「見た目が可愛くて」とか「最近の流行だから」とか「この色が好きだから」など理由を答えてくれます。そしてこの理由こそが褒められて嬉しいポイントになります。

・見た目が可愛いと言えば、そのカバンの見た目を選んだ選定眼を褒める。
・最近の流行りだからと言えば、流行に詳しいオシャレさんと褒める。
・この色が好きだからと言えば、その色と相手が似合ってると褒める。

という風に、質問をすることで相手が褒められて嬉しいポイントを知ることができます。
この辺についてはアダムグラント氏の著書『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』でも出て来た「売り上げトップのメガネ販売員はたくさん質問をする」という部分に通ずるものがあるなと思いました。

終わりに

と言う訳で、上手な褒め方講座でした。
全てのテクニックを意識しながら日常的に使っていくのは難しいので、私は「本音で話す」とか「多めに質問する」という事だけ念頭におきながら、あとは流れに身を任せながら会話してますね。すると自然とこういうテクニックに繋がってることがあるので笑

今回参考にしたのはコチラの書籍と動画になります。

 

社塾 - YouTube
上のリンクで表示される社塾01~05
いい人のふりしてあなたを攻撃してくる人への対処法 - YouTube
この褒め方はNG!また会いたいと思ってもらえる褒め方 - YouTube

ちなみにこれは個人的感想なんですが
ホストが書いてる本はテクニックベースの実践的なものが多くて、キャバ嬢・ホステスが書いてる本は心構えとか仕事への取り組み方といった概念的なものが多い印象を受けます。
どちらが優れてるという訳ではないのですが、この情報が本を探すときに「いま自分に足りないほうの本を探す」ときの参考になればいいなーと思って書き記しておきます。

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それでは今回はこの辺で。
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